皆様、こんにちは!東京支社インストラクターの原田です。
早くも12月を迎え、今年も残すところあと1ヶ月を切りました。クリスマスやお正月・バレンタインなど街が華やぐイベントにワクワクする一方で、夏に比べてなんとなく気持ちが沈みやすいと感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は秋から冬にかけて起こりやすい「冬季うつ」についてお伝えしていきます。
秋口から冬にかけて憂鬱な気分が続く、食欲に急な変動が起きてしまう、
身体が重くて朝なかなか起きられない… 寝ても寝ても疲れが取れない…
このような症状の背景には、冬季うつがあるかもしれません。
冬季うつは正式には「季節性感情障害(SAD)」という病気で、特定の季節に調子を崩す疾患を指します。春や夏にも当てはまりますが、多くの人が秋から冬にかけて体調を崩すことから「ウィンターブルー」と呼ばれます。
10代後半~30代の女性に比較的多く発症し、女性の疾患率は男性の3倍にものぼります。また、うつ病の方の約20%が冬季うつを経験するとも言われ、食欲不振や不眠になることが多い一般的なうつ症状とは違って「過食」「過眠」「体重増加」の特徴があります。
●気分が落ち込むことが多くなった、無気力感
●以前ならこなせた仕事が上手く処理できない
●疲れやすい、身体を動かすのが億劫になった
●今まで楽しんできたことが楽しめない
●考える力や集中力が明らかに低下している
●睡眠時間が長くなった、朝起きられない
●しっかり寝たつもりでも疲れが取れない
●食欲が急激に増した、炭水化物の過剰摂取
●不安な気持ちがなかなか消えない
●外出することや人に会うことが辛い
冬季うつの原因には、日照時間が大きく関係しています。
冬になると日照時間が短くなってメラトニンやセロトニンといった脳内ホルモンの分泌が低下しやすくなることから、様々な不調が現れると考えられています。
国や地域によって差はありますが、多くの国において「日照時間が短くなる10~11月に発症し、日照時間が長くなる3月頃に回復する」といった具合で、これを毎年繰り返します。
多忙な日々を過ごすビジネスパーソンにも多く、ただでさえ光を浴びる時間が短いうえに朝早くから出勤して日中は室内で働き、暗くなってから帰宅・・・と日光を浴びる機会があまりにも少なくなることが原因です。
その症状の度合いによっては抗うつ剤の服用などが必要なケースもありますが、基本的には生活習慣の見直しによって症状の改善・軽減を図ることができます。
睡眠ホルモンである「メラトニン」、幸せホルモンである「セロトニン」は日光を浴びることで生成されるため、不足することで睡眠のリズムが乱れたり精神のバランスが崩れたりすると考えられています。改善するためにはまず日光を浴びることです。朝日を浴びる、昼間は日光の当たる時間に外へ出て散歩をしたり軽い運動をするのが効果的です。
自然の光がベストではありますが、人工的な光でも改善の裏付けがあるため自宅や職場の照明をなるべく明るくすることも重要です。
必須アミノ酸の一種である「トリプトファン」は、メラトニンやセロトニンの材料となるため積極的に摂ることが大切であると同時に、アミノ酸の効率的な吸収や利用にはビタミンやミネラルも欠かせません。また、冬季うつによって炭水化物を求める過食になることで栄養バランスが崩れて悪循環に陥ってしまうため、食事で気を付けることはもちろん健康食品などをうまく活用して効率的に必要な栄養素を取り入れていく必要があります。
朝の摂取が効果的!トリプトファンを多く含む食品
・大豆製品(豆腐、納豆、味噌など)
・乳製品(ヨーグルト、チーズ、牛乳)
・バナナ ・アボカド ・ゴマ
・ピーナッツ ・アーモンド ・卵
ウォーキングやジョギングなど一定のリズムで行う有酸素運動は、セロトニンの分泌を促すほか、エンドルフィンというストレスを取り除くホルモンの分泌を促進したり交感神経の働きを抑えて回復・癒しに関わる副交感神経を優位にすることが分かっています。
外で身体を動かすのが難しい場合は、家の中で簡単なストレッチやヨガを行うのがオススメで、ヨガの呼吸法やストレッチの動きには体内時計を正常化させる働きもあります。
また、趣味に没頭できる時間を作ることや自然・動物に触れる、自分の感情を話せる人に気持ちを共有することも大切です。そして1日の終わりにはゆっくり入浴して身体を温めたり、好きな香りに癒されながら心を落ち着かせるのも良いですね。